今、歯科界で予防歯科が流行ってます。
本当に喜ばしいことです。
ただし、「なんだかなぁー」とも思うんです・・・。
従来の診療に歯磨き指導を付け加えただけ、PMTCという歯のクリーニングをしたり、キシリトール入りのガムを売るだけで、それってほんまに予防歯科ぁー・・・?
このブログを作るに当たって、あるHP製作会社の製作例というのを見てたんです。
その中にありました。ある予防歯科のHPが・・・。
そこの先生は、アメリカでも何かの資格を取られた立派な方です。
でも、なんとすべての歯にセラミックの歯をかぶせてたんです。
結局その先生のHPには、詰め物・かぶせ物の説明ばかり載ってました。
そんなん、「看板だけの予防」・「客引き予防」・「付け足し予防」と違うん・・・?
まあええけどー・・・
(削るのが大好きな)審美歯科と勘違いされているのでは・・・
なんだかなぁー・・・(この言葉、気に入らないときに出る小生の口癖だそうです。スタッフに言われて初めて気が付きました。)
予防歯科というのは、歯をできるだけ削らない・抜かないようにすることですよ。
患者数の増加や保険外診療につなげるための、便利なツールにして欲しくないなー。
本当に予防歯科に力を入れている医院かどうかを確かめるには、歯科衛生士の数を聞けばいいと思います。
当院は、スタッフ4人の内3人が歯科衛生士です。
給料の支払い大変ですよ・・・
ああそうそう、MI(Minimal Intervention=最小限の侵襲)というのも流行っていて、それ自体の考え方というのは非常に大切なものなんですが、「予防歯科は、むし歯の早期発見・早期治療だーっ。」という古い間違った考え方と結びつくとちょっと大変!
ちーっちゃな虫歯?をちーっちゃく(それでも実際のむし歯より少し大きく)削って詰めて、先生は満足することになります。
やがて詰めた周りからまた虫歯にならなければいいけど・・・。
どんなむし歯もタービン(歯を削る機械)で削るほど早く大きくならないという事、歯は削ることを繰り返して失われていくという事実を、小生も含めて、歯医者は肝に命じるべきだと思います。
それと、老婆心?ながら、小さなむし歯の検査に探針(タンシン)というのを強く突っ込んで調べるのも、かえってむし歯を大きくしてしまうので、やめた方がいいことになっています。
当院ではレーザーを使った、歯を傷つけず、まったく痛くないドイツ生まれの診査機器、「ダイアグノデント」を使って慎重に診査しています。
ただ、ダイアグノデントも数値や判定基準にばらつきがあり、決して万能の機械ではありません。そこで当院では、Dファインダーというもので更に調べ、両方の結果から診断するようにしています。
もちろん、「疑わしきは削らず」です。
現在、予防歯科あるいはカリオロジーから見たむし歯に対する考え方というのは、「早期発見しても削らず、進行を抑えて長期観察する。」というものだと思います。
つまり、「歯医者がいかにタービンを持つ手を止められるか」ですね。
だって、小さなむし歯は痛くないでしょ。
何も問題がなければ、むし歯があると言うだけで削るのはどうかなと思うんです。
大切なのは
むし歯や歯周病にならないようにすること。
そのためには、頻繁に歯科医院でチェックを受け、悪くなってしまわないうちに軌道修正すること(未病を治す)。
なってしまったら、
むし歯に関しては「早期発見→進行停止」
歯周病に関しては「早期発見→早期回復」、あるいは「したたかな現状維持」
そのためにはメインテナンス!!!
いかがでしょうか・・・
当院ではお一人お一人に合わせたメインテナンスシステムをご提案しています。
「20年後を健やかに」を合言葉に、あなたもチャレンジしてみませんか!!!
追伸 : とは言っても現在の保険制度は「削ってなんぼ」という世界。
小さなむし歯を見つけるたびに、院長は経営者としての揺らぐ心を押しとどめているのです・・・。
大げさに言えば、大好きな孟子の言葉
「自ら省みてなおくんば、千万人といえども吾れ往かん」ですか・・・・・
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