2月17日 東京マラソンに出場してきました。
前日の土曜日はお休みをいただき、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
昨年暮れから新年にかけての四国遍路(9日間、300キロ)に続き、体力勝負の最近ですが、トレーニングとして昨年12月には約146キロ、お遍路から帰って1週間休み、その後の約1ヶ月で約197キロ走っていました。
当初の目標はサブ4(4時間以内)でしたが、膝や股関節の痛みと、せいぜい2ヶ月半足らずしか練習していないんで、最終的にはサブ5を目指すことになってしまいました。
さて16日土曜日朝、上下紺のウィンドブレーカー姿で診療所に寄ると、「それ着て行くんですか~?」とスタッフに怪訝な目で見られましたが、「おっちゃんは平気や!」とカラ元気イッパ~ツ!で一路東京へ。
ところが、受付会場の国際展示場に行ってみても、前日からこんな格好をしている人は5人くらいしか(すべておっちゃん)見かけません。
まあ気にしないっす!
最近のアスリートはおしゃれやなあ・・・
この会場は、大阪の咲洲(さきしま)にもある、例のインテックス大阪のような巨大施設で、木・金・土の三日間マラソンEXPOが開かれているんです(マラソンのゴール地点でもあります)。
この大会、参加費は1万円と少し高めですが、受付や協賛各社のブースでいろんな物が貰える上に、ランニング関係のほとんどすべての商品を、一度に見ることができます。
Tシャツなど、「大会オリジナル!」とか、「会場オリジナル!」とか言われて、参加賞で1枚貰っているのに、長袖(帰って開けてみたら半袖だった)1枚と、さらに半袖1枚も買ってしまいました。
まあ安いし、ええことにしとこ・・・
ホテルは、品川から山手線で1駅の、大崎駅に直結している「ニューオータニイン東京」です。
「ビジネスホテルで1万6千円は高いぞ!」と文句を言いたいとこやけど、前日にツインをシングルに変えた(東京にいる息子も泊まる予定だったが、来れなくなった)から、しゃあないか。
太っ腹、太っ腹・・・
それでもスタート地点の新宿も近いし、先ほどの国際会議場にも、りんかい線で1本で行けて非常に便利。
ホテルのすぐ外には、食堂街やスーパーもあるし、隠れた穴場とちゃうかなあ・・・
さてチェックインしてからは、ホテルのすぐ外の「VIE DE FRANCE」でパンを4個買って帰って食べまくり、あまりおなかが減っていないのに、7時前には近くのラーメン屋で、野菜ラーメン+ライス+餃子!と、ひたすらカーボローディングに努めました。
ああ苦し・・・
食後は階下のスーパーで、明日の朝食用のバナナと飲み物、レース中の携帯食「即効元気」と飴とを買い準備万端。
緊張と興奮で眠れないかなあと思いましたが、実は前日から36.5度位の微熱があるせいか、割と眠ることができました。
翌朝は5時半に起きてシャワーを浴び、バナナと、スポーツ飲料にアミノバイタルプロを溶かしたものを、急いでおなかに詰め込みました(「スタート3時間前までに」と本に書いてあったので)。
7時20分頃チェックアウトしましたが、フロントのおにいちゃんが「がんばってください!」と声をかけてくれたので・・・来年も抽選に当たったらここにしょうっと!
新宿駅に着くと異様な雰囲気。
何人もの駅員の方が、ハンドスピーカーで案内してくれています。
道いっぱいの出場者達が都庁を目指して黙々と歩き、近づくほどに、歩道に車道に(植え込みに)人が溢れています。
ちなみに、キャリーバッグというんでしょうか、この頃よく見かける、あの小さな車輪の付いたバッグを転がしているのは、本当に小生だけでした。
これ便利やのにな~・・・
都庁付近には、着替えた荷物をゴール会場まで運んでくれる大型トラックが、ずら~と縦列駐車をしていて、荷台の上のスタッフの方々が、荷物をあわただしく受け取っています。
そしてもうそこら中でみんな着替えてます。
人をかき分けかき分け、あわててゼッケン番号に相当するトラックを探し、その前の込み合ったわずかなスペースで着替えました(と言っても、上下のウィンドブレーカーを脱いで、東京メトロから貰った袖なしビニールポンチョを被るだけです)。
着替えを済ましたらあとは、ト・イ・レ!
これがなんと、仮設トイレがずら~~~っと並んでいます。
これほど多くの仮設トイレの行列を見るのことは、恐らく今後の人生でもそうはないでしょう(また来年も来れるかもしれないけど)。
おまけにそれぞれのトイレの前に、順番を待つランナー達が、男も女も入り乱れて20人くらいずつ並んでいるのです。
良く考えてみますと、これは奇妙というより恐ろしい光景ではないでしょうか!
皆さん澄まし顔で列に並んでいますが、ずら~っと並んだ仮設トイレのドア一つ一つの向こうには、それぞれいろんなお尻がこっちを向いて並んでいるんですよ(妄想・妄想!)・・・
ともあれやっとトイレを済ませて出てくると、「選手の皆さんは早くスタートブロックに向かって下さい。スタートに遅れた方は、列の最後に並んでいただきます!」との放送。
「まだ30分前やでぇ」と思いましたが、スタートブロックに行くまでがさあ大変。
ぎゅうぎゅう詰めの初詣並みで、前へ進めません。
自己申告タイム順に並ぶ小生のブロックは「D」。
やっとのことでDブロックに入り込むと、周りには結構気合の入った人もいます。
ランシャツ・ランパンで、例の袖なしビニールポンチョも被っていません。
寒そ~~ぅ
小生はというと、下はロングタイツ。
上は長袖Tシャツの上にモンベルの超軽量ウィンドブレーカー(着て行ったのとは別。この超軽量という言葉には惹かれますね~。)。
さらにその上に例のビニールポンチョという、まさにスタート長時間待たされ用、あるいはマラソン5時間以上かかる人用の正統派スタイル?です。
(先頭はずーっと前!)
そうこうするうちに、何か右翼的な歌が流れたり、国歌の演奏もあったりという、さすが石原慎太郎流の演出の後、前の方だけ紙ふぶきが舞って、いよいよスタートです。
(でか~い都庁)
といっても、込み合ったままの前進で、スタートラインまで5分位かかったと思います。
大通りに出ると、さすがに集団がばらけてきます。
道いっぱいに広がって走る様は壮観ですが、JRの高架下では、早くも多くのランナーが橋脚に向かってオシッコしています。
オイオイちゃんとしとけよ!!!
それにしてもみんな早いんです。
小生は、GPSと心拍計の付いた腕時計をしていますが、いくら自己申告タイム4時間のブロックからスタートしたとはいえ、みんなはそのペースよりかなり早いんです。
ゆっくり走ってるつもりでも、予定の5時間ペースよりもかなり速く、心拍数も高過ぎます。
それでもいつもよりしんどくないんです。
ペースを落として走るのが大変です。
抜かれて抜かれてまた抜かれて・・・
暑くなってきてビニールポンチョを脱ごうとしたら、ゼッケンも一緒に破り取ってしまいました。
にぎやかな応援の中、あわてて沿道のスタッフにお願いして、安全ピンで付け直してもらいました。
アセルな!アセルな!
でももう5キロ付近からスピードや心拍数は見なくなりました。
心拍数よりも体感に頼ることにしました(これが後半響きました)。
やっぱり抜かれると悔しいんです。
10キロは楽勝でした。
もう歩いている人がいましたが、「10キロってこんな楽なんや~」という感じです。
15キロを過ぎ、品川の折り返し点ではまあまあ。
まだまだ余裕を残した状態でした。
これからです。
練習でも25キロ以上は走っていません。
20キロ位から、いつものように、着地の時に膝が痛くなってきました。
銀座から浅草雷門までは、沿道の観客が一番多いようでしたが、折り返し地点はまだかまだかと思って、長かったです。
それでも雷門前で折り返してからは、銀座までの距離が大体掴めているので、気分的には楽でした。
ところが、歌舞伎座あたりで、とうとう足にきました。
腿が上がらず、右足首がだるくなって、足先が上がりません。
お遍路で聞いたように、「お大師様が後押ししてくれる」のでは、と期待しましたが、やっぱり我に試練を与え給うたままです。
このあと何度かある登り坂では、歩くことにしました。
もうどこを走っているのかもわかりません。
このあたりでも、抜かれて抜かれて・・・
でもなぜか同じ人に何度も抜かれるのです。
どういうこと???
35キロ過ぎてからの長いこと・・・
「マラソンは35キロを過ぎてから」というのを、嫌というほど実感しました。
でもずるいところがあって、残り1キロ、いやもうゴールが見えても、決して全力は出し切らないんです。
もうとっくにタイムは見ていませんし、今さら何人か抜いたところで仕方がありません。
それより、痛まないように、それだけでした。
そんな訳でやっとゴール。
意外なことに、当初の予定通り、ほとんど5時間丁度位です(スタート時もゴール時も、すぐに時計のスイッチを押すのを忘れてました)。
達成感よりも、もう走らなくてもいい安堵感。
それと、スタッフの皆さんが「おめでとうございます」と言ってくれるので、何となくこそばゆい感じ。
思わず「お世話になりました」とお礼を言っていました。
スタッフ・ボランティアの皆さん、大会関係者の皆さん、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
ゴールするとこんなポンチョが貰えました。
ゴワゴワしていますが、なかなかのスグレモノです。
立派なメダルやバナナ・飲み物・クールサロンパスまで貰って、荷物を受け取り、昨日の広~いEXPO会場で着替えです。
中では新潟からの、お米で作ったパンやおにぎりも貰いました。
至れり尽くせりです。
着替えてすぐ帰りました。
階段の下りがきつかったですが、それ以外ではキャリーバックが活躍しました。
ゆりかもめ・山手線・新幹線と乗り継いで、大阪には6時半頃着き、今回のマラソン挑戦は無事終了です。
「今年は5時間かかったけど、まあこれくらいで堪忍しといたるわ。
来年は見とけよ!」
と、気持ちだけはなかなか達者なおっさんでした。