あっという間の4ヶ月半が過ぎ、また遍路ができる時期がやってきた。
区切り打ちのできる時期は大体世の中も休日で、宿も営業していないところがあり、何と言っても宿の確保が先決だ。
心配で数ヶ月前から予約の電話を入れてみたが、民宿以外はてい良く断られる。
きっと正月はかき入れ時で、遍路一人で一部屋を占領されると効率が悪いからだろう。
それも已む無しだが、夏とは違って、やはり修行の足りないオジサンには野宿はできないのだ。
1日の歩行距離と宿の位置、それに限られた休みを目一杯使って歩くためには、最後はできるだけ駅の近くのお寺で終わりたい(室戸・足摺などは、鉄道が岬近辺まで通っていないし、区切り打ちの場合は、前回の最後の札所からもう一度始める事になっている)ので、何度も計画を立て直してみたがうまくいかない。
1ヶ月前にダメモトでもう一度電話してみたら、以前満室だと断られた「道の駅 宍喰温泉」が嘘のように簡単に予約できた。
そこで23番薬王寺(宿坊で朝の勤行を経験したかった)と宍喰温泉を固定し、夏の経験から40キロでも歩けそうだと判断して、今回の、室戸岬を2日でクリアという、いささかハードな計画となった。
また冬ということで服装の心配があったが、冬のサッカーで重宝していたので、すべてミズノ製で揃えた。
下着は、下はドライベクター(防湿力+即乾力)のトランクス(モンベルの股ズレブリーフではありません!)に、上はブレスサーモのハーフジップ・タートルネックシャツ。
上着には、やはりブレスサーモのウィンドブレーカー上下を着た。
このブレスサーモの衣類は、汗をかくと、その水分で発熱してくれるスグレモノで、結局上下とも下着の上に一枚着るだけで(袖なし白衣は除いて)済んだ。
タイツも持って行ったが、股や膝の裏が痒くなり、1日でやめた(子供の頃から、素肌にウールは苦手なのだ)。
ダウンジャケットは徳島まで着て行ったが、バスの中で暑くて気持ち悪くなり、早々にしまいこんだ。
ゴアテックス製の手袋も、金剛杖を握る手が、雨や雪で濡れると冷たくて困るだろうと持って行ったが、結局一度も使わなかった。
装備はなぜか10キロ弱にもなり、余計な物のわずかな重さの積み重ねが、やがて肩に食い込むことになるのだった。
さて前回の区切り打ちの反省を含め、今回の遍路のテーマは、「空や海や道をよく見ること、よく感じること」だ。
目的地に着くことだけを目標にすると、心が内側にこもってしまい、それではもうどこを歩いても同じで、ただマラソンしているようなものなのだ。
心に余裕を持って、四国の自然の中で、胸一杯に深呼吸してきたいと思うのだ。
さあ新しい菅笠に紐を付け替え、納め札にも住所などを書き込んだ。
いざ準備完了なのだ~っ!
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